Japolatino

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耳をすませば
2



雩:

ヤなヤツ...ヤなヤツ...ヤなヤツ... ヤなヤツ...ヤなヤツ...ヤなヤツ...

 

(クシャ クシャ... グ...)

 

(ポイ)

ヤなヤツ...!!

 

(カタ... ゴク...ゴク ...キュ)

 

 

 

雩:

コンクリ-トロ-ドは やめた方がいいぜ...

 

(バン-)

なによっ !!!

 

(ガチャ..-)

 

 

 

姉:

ただいま-... はぁ...

 

 

 

雩:

お姉ちゃん...? 今日たっだの?

 

 

 

姉:

ひゃ-, 疲れた...
ちょうど こっちへ車で歸る人がいたんで 乘せてもらっちゃった...
お母さんは?

 

 

 

雩:

夏期集中講座だって... お父さんは出勤...

 

 

 

姉:

しずく... 少しは片ずけな... 晩ごはんの仕度は?

 

 

 

雩:

お米といどくの-...

 

 

 

姉:

なァにこれ! しずく...ちらかしっぱなしじゃない!

 

 

 

雩:

は... いま...やるとこ-...

 

 

 

姉:

お母さん大變だから應援しようって決めたでしょう...
(コト.. カタ.. カチャ..カチャ)
お米といだら洗タク物しまって! シャワ- あびたら わたしがごはん作るから...
(シャッ---)
おばさんが高校生になったらしずくも來いって...

 

 

 

雩:

ん...

 

 

 

姉:

勉强進んだ?

 

 

 

雩:

ん...

 

 

 

姉:

うちの親は何もかまわないからって安心してると... ひどいことになるからね...

 

 

 

雩:

してるよォ!

 

 

 

(ハハハハハハハハハ...)

 

 

 

姉:

でね- おしょう油まで持たせようとするのよ...

 

母:

おばさんらしいわねェ...

 

(ハハハハハハハハハ...)

たしか去年もそんなこと あったじゃない-.

 

姉:

そう, おみそ持たされてさ, 重かったよ. 忘れないわ.

 

母:

2 キロぐらい あったよね.

 

(ガ~~~ッ...ガ~~~ッ...ガ~~~ッ...)

 

雩:

う~~~ん

 

(ギュウウウン....ガ-------)

 

(ジャッ)

 

姉:

しずく! いいかげんに 起きな!
自分のとこ ソ-ジキ かけなさい!
シ-ツ洗うから出して! フトンも于すのよ...

 

雩:

ん~~~っ...
お母さんは?

 

姉:

とっくに行った...

 

姉:

さっさとかたづけて そのお弁當 お父さんに とどけてあげて...

 

雩:

エ~~~ッ?

 

姉:

なによ, その聲... 圖書館に行くんでしょ... かわりに あたしが 行こうか?
しずくが トイレと風呂場に玄關そ-じして 生協に行ってくれるのよね?
フトンを取りこんで 買い物をして 晩ごはんの仕度するのよ...

 

雩:

行ってきま-す...

 

(ガチャ)

 

姉:

しずく-っ!

 

(タタタタ)

 

姉:

これポストに出しといて-

 

雩:

な-に?

 

姉:

ポ - ス - ト !

 

雩:

アァ............

 

姉:

見なくてい-のォ! クリップごと出すんじゃないよ!

 

雩:

カレシ-?

 

姉:

バカ...
- つづく –

 

(プシュ----ジリリリリリ.....ガタン...グゴゴゴ...)

 

(ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...)

 

雩:

ネコ君...ひとり? ......!? どこまで行くの?
外, おもしろい? オ-イ...答えてよォ...

 

(ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...)

 

(キキトトト...)

 

雩:

わたしここで降りるの...きみは? じゃあね, ネコ君...あ...

 

子:

あっ...あっ...ネコ...!

 

雩:

圖書館の方へ行く! あ~~~あ...せっかく物語が始なりそうだったのに...
いた-!!!
ああっ! ..... すごい坂... どこまで登るのかしら... ハァ,ハァ... ア?
ネコく-ん... ネコく-ん... このあたりに住んでいるのかしら...

 

(ワン...ワン...ワン...)

.....!? きゃっ!
ネコく-んどこ行くの? この邊に住んでるの?
丘の上にこんなところがあるなんて知らなかった...

 

(ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...)

性わる-う...犬をからかってまわっているんだ...
う-ん... わたしのことをからかっているのかも...
こんなお店が丘の上にあるなんて知らなかった...
すてきな人形... あなたはさっきの猫くん? ハ?

 

(コトン)

 

地球屋主人 :

やあ... いらしゃい...

 

雩:

あ, あの...

 

地球屋主人 :

あ, いや... あ, そのまま...そのまま...
自由に見てやってください... 男爵も退屈してるから...

 

雩:

男爵って... このお人形の名前ですか?

 

地球屋主人 :

そう...
フンベルト-フォン-ジッキンゲン男爵... すごい名でしょう...
おお, やっ, すまん... ありがとう...もう大丈夫だ...

 

雩:

立派な時計ですね...

 

地球屋主人 :

あるお城で眠ってたんだよ... すっかりさびついていたんだ... ごらん...

 

雩:

ワ-ッ... きれい... これ, なんですか?

 

地球屋主人 :

フフフ...できあがってのお樂しみ...

 

(カリ...カリ...カリ...カリ...カリ...コチ...コチ...コチ...)

 

雩:

ワァ...! よくできでる! ドワ-フですね!

 

地球屋主人 :

よくご存知だ... そうか... お孃さんはドワ-フを知っている人なんだね...
文字盤をみてごらんなさい... うまくいくかな?

 

(ボ~~~ン...ボ~~~ン...ボ~~~ン......)

 

雩:

エルフ!

 

地球屋主人 :

ガラスが光るね... ここへ來なさい...

 

雩:

はい... 王女さま?

 

地球屋主人 :

そうだね...

 

雩:

二人は愛し合ってるの?

 

地球屋主人 :

...ん
しかし住む世界が違うんだ...彼はドワ-フの王だからね...
十二時の鐘を打つ間だけ彼女は羊から元の世界へ房れるんだよ...
それでも彼は時を刻むごとにああして現われて...
王女を待ち續づけるんだ... きっとこの時計を作った職人が...
とどかぬ戀をしていたんだよ...

 

雩:

それで二人ともなんだか悲しそうなのね...

 

(カタン !)

 

雩:

ああっ!!! この時計すすんでますよね!

 

地球屋主人 :

ん-........ でも5分くらいかな...

 

雩:

大變 !!!

 

地球屋主人 :

オオッ!?

 

雩:

わたし, 圖書館に行かなきゃ! さよなら! おじいさん! また來ていいですかァ?

 

地球屋主人 :

ああ...圖書館なら左行った方がいいよ...

 

雩:

きゃあ...!!! わあっ... 圖書館の眞上! フフフ...
いいとこみつけちゃった... 物語に出てくるお店みたい! すてき-!

 

男學生:

つきしま-! 月島 雩 !!!

 

(キイッ-)

これお前んだろう...

 

雩:

えっ!? ああ-っ!!!

 

男學生:

忘れっぽいんだな...

 

雩:

あ...ありがとう... でもどうして...?

 

男學生:

さて... どうしてでしょう...

 

雩:

...!!! ネコ! そっ...そのネコきみの-っ!?

 

男學生:

お前の弁當ずいぶんでっかいのな...

 

雩:

えっ!? ちがう~~!!!

 

男學生:

コンクリ-トロ-ド どこまでも~~~つづいてる 白い道~~~~

 

雩:

ちがうのォ, こらあ~~~~~~~~~!!!

 

父:

アレ? 來てくれたのか... どうしたんだ? コワイ顔して...

 

雩:

ちょっと說明しようがないの...

 

父:

ハア...??

 

雩:

とてもイイ事があって洞穴で寶物をみつけた感じだったの...
それが心ないひと言で生き埋めになった氣分!

 

父:

ハハハ... それは複雜だ.....

 

父:

今日も借りていくかい?

 

雩:

うん...あと7冊は讀まなきゃ...

 

父:

相變わらずだネェ, メシどうする?

 

雩:

賣店で濟ます...

 

父:

そうか... じゃあ... ありがとう...

 

雩:

6月16日... すごい... 天澤って人, この本も讀んじゃってる...
どんな人なんだろう... ちがう! お前なんかじゃない!!

 

母:

しずく- はやくしなァ-! はあ~~っ 遲刻-! カサ! カサとって...
新學期なのに雨ばっかりねェ...

 

雩:

文句いわない! あなたは好きで勉强しているんでしょう...

 

母:

はァい...

 

雩:

しっかり勉强しなさい...

 

母:

まァかしといて-...

 

夕子 :

しずく-っ...

 

雩:

ヤッホ-...

 

夕子 :

はやく... おくれるよ-... や-ねェ... テストばっかりで...

 

雩:

每日なんかかんかあるね...
あれ...返事した?

 

夕子 :

ううん...

 

雩:

何もいってこない?

 

夕子 :

うん...わたしやっぱりことわる...

 

雩:

そっかァ... うん... その方がいいかもね... 杉村-っ!

 

杉村 :

ギリギリだぞ-っ...

 

雩:

ワカッテル-...

 

先生 :

ハイ...おわり----, あつめてェ... 午後は通常だからな...

 

夕子 :

しずく...高坂先生のとこ行こう...

 

雩:

うん...その前に職員室よっていい?

 

夕子 :

いいよ...

 

杉村 :

月島っ聞いて聞いて!

 

雩:

なによ...

 

杉村 :

バ-ッチシヤマあたり, すげえの...

 

雩:

このしあわせもの...

 

杉村 :

休み時間に見たところがそのままドンピシャだぜ...

 

雩:

ただの野球バカじゃなかったんだァ... ヤマはりなら夕子得意だよね-...
こんど一緖に勉强したらァ?...

 

杉村 :

原田が!?

 

クラスメイト :

すぎむら...杉村-っ...

 

杉村 :

なんだよ?

 

男學生:

これみたかい?

 

夕子 :

行こう...しずく!

 

 

 

 

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