Japolatino

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るろうに 剣心
rurouni kenshin


OVA 4



十字傷
juuji shou
La herida con forma de cruz*



内通者が割れたぜ
巴だ
向こうの山のお堂に仲間がいる 巴は多分 そこに
始末しろ
はぁ はぁ…
はぁ… 姉ちゃん
ふ―っ
さてと…
長居は無用 さっさと ずらかるか 
ふ… じゃあな 緋村
はぁ はぁ…
いつまで こうして いられるのでしょう 
何故 縁を巻き込んだのですか
京で姉の事を聞き回っていた あの坊主を 上の者が連れて来た
つまり お前と 全く同じ経緯という事だ
他の人達は?
山に散った 奴を待っている
私の知らせを聞かずに?
知らせ?
ああ 人斬り抜刀斎の弱点だったな もう良いのだ
それでは 私は何の為に… はっ!
そうだ たとえ どれほど冷徹な人斬りといえどー
情の通わぬ男はおらん
今の あやつの最大の弱点はお前自身なのだ
あやつは ここに向かっている 勿論 お前に会う為にな
だが 自分の好いた女が 間者だと知り 心は千々に乱れておろう
今のあやつは 本来の力を出す事はできぬだろうよ
これこそ 我らの真の目的 分かったかね
最初からそのつもりで… 私を
だったら… どうするね
ううっ!
うう… うっ
うっ!
はっ!
惚れたのか 女子とは 難儀なものよ
が それも無理からぬ事 人の情とは移ろい易いものだ
それが強く激しいほど 自分ではままならぬ
憎む事と惚れる事 その差は紙一重ほどもないのかも知れんなあ
それが 人の業というものだ
いかな秀でた人斬りといえども 女子の業の前では 赤子も同然
最初から そこまで…
ん?
はうっ…
無茶をするな
あ…う…
舌を噛み切るには 相当の力と覚悟がいる それに―
お前が死んで どうなるものでもない
あっ…
死にたくば 好きにするがよい
だが 事の初めを 忘れたわけではあるまい
何故 死なねばならなかったのだ 清里は…
はぁ はぁ…
お前にとって 清里とは 何だったのだ?
かけがえのないものではなかったのか?
少なくとも清里にとって お前はかけがえのないものであったろう
でなければ 腕に自信もなしに 動乱の京になど来はすまい
自分の命をかけてまでも お前を幸せにしたかったのだろう
だったら そばに… すぐ そばに居てくれるだけで
私は それだけで…
それが 男の業なのだよ
女を幸せにする為に 家を 村を―
そして この徳川の世を保持せねばならぬ
世の平安なくして 個々の幸せなど得られようはずもない
この徳川の世に害を成す者あらば たとえ どれほど小さき芽であっても―
あらゆる手を講じて これを摘む
その用心深さこそが 徳川 三百年の泰平の理由
我らが それを支えてきたのだ
そして それは我らの業そのもの
我らも守っているのだよ 人々の幸せを… 命懸けでな
分かるか 我らは皆 業深き者の集まりなのだ
はぁ…
その宿業の中で生き そして 死んでゆく
これが 人というものの定めなのだ
うっ!
うあっ
我らは 徳川の為 この世を守る為に 奴を倒す
お前が奴を好いたのも 全ては業の成せる技
過ちを犯さぬ人など おりはせぬ
清里を思い出せ かけがえのない男 清里を…
はぁ はぁ…
と…も
と…も…え
と…も…
半年かけて なお 更なる犠牲を必要とするか
だが それも承知の上の事 奴はこのわしが必ず仕留める
それこそが清里を そして幕府の為に 散って行った多くの部下達の死を―
無駄死にとしない為の唯一の方法
そして お前はそれを その目で見届けるがいい
それが お前の幸せを 守ろうとして死んだ清里への―
せめてもの弔いとなろう
清里…様
はぁ はぁ…
うう…
うっ
はぁ はぁ…
女将さん 部屋を頼みます
長州藩は忙しおすなあ 人斬りの後は女子しですか
何も… 別に 俺の女というわけじゃありませんし
誰も そう思ってないぜ 一度は助けた女だろうが
桂さん ご無事で!
いっそ死んでいればと思うよ これで 俺は全てを失った
はぁ はぁ…
はぁ はぁ…
行くか 大津へ
行くか 大津へ
行くか 大津へ
大津へ…
行くか!
大津へ…
あっ
はっ!
はあ…
その姿 ここまで辿り着くのが 精一杯といった所か
抜刀斎といえど 守るものなき戦いは 過酷なものという事だ
そもそも お前には守るべきものなど 最初からなかったんだ
我らとは違ってな
幕府の命により 闇乃武の長として これより決着を付ける
同時に 我が配下の無念を晴らす
それが このわしにできる唯一の償い
奴らを守れなんだ このわしのな!
はっ!
うっ
ううっ
はあっ
ううっ!
ううっ…
うあぁ
はっ!
俺は 弱き者の幸せを守る為に 人を斬ってきた
でも… 君はその為に 幸せを失ったんだ
俺は君の大切なものを奪ってしまった
それを知らずに…
俺は君を…
俺には 君を守る資格などなかった
それでも 俺は…
君を…
ええ それに思っていたより よく売れてしまって…
いえ あんまり美味しそうに食べるものだから…
でも 何だか 気が抜けたようで…
夕方 秋茜を見ました
巴…
俺は君を ま…もる
分からぬな 女子というもの…
巴!
はぁ… はっ
と… 巴
はっ!
うっ…
うっ!
ごめん…なさい あなた…
はっ!
姉ちゃん…
巴…
君を失って やっと君の 苦しみが分かったような気がするよ
君はこんな思いに ずっと耐えていたんだね
辛かっただろう 憎かっただろう
だのに 君は 俺を守ってくれた
こんな俺を 生かしてくれた
でも 君はもう辛い思いをしなくてもいいんだよね
苦しまなくていいんだよね
俺は この苦しみを 背負ったまま 生きて―
償いの道を 探さなければならないんだ
俺を守って 死んでいった人と 俺が殺めた人々の命に報いる為に…
辛いけど 多分大丈夫だと思う 今までもそうだったし
君が教えてくれた 人の温もりの暖かさを憶えていられるのなら…
多分 俺は…
君とは お別れしなきゃならないけど
今は… 今だけは
このまま 二人一緒に…

舟が出るぞ―
さてと ばれねえうちに―
さっさと ふけますか
ん?
ちっ! 今度は 俺が検分される番なのかよ
だが “浮き世の事は所詮博打”ってね…
どっちに出るか はり続けるまでの事よ!
緋村
ここで 起きた事は おおむね調べた すまん
桂さん…
内通者は始末した
腕の立つ者を一人見つけてな
うわー!
うおっ
ちっ! 正月早々ついてねえ… うっ
暗殺稼業は 今後 彼に任せる事に決まった
だが お前には益々剣を振るってもらわねばならない
京は酷い有り様だ
新撰組を筆頭に 幕府は志士狩りを強化している
誰かが剣を以て 抗さねば 全滅は必至
そうですか…
緋村
はい
かつて 巴さんに 頼んだ事がある
お前という“抜き身”を納める“鞘”になってくれと
鞘?
そうだ 彼女は今でも お前の鞘であり続けている
俺はそう信じたい
―桂さん ―ん?
今 俺にできるのは 剣を振るい続ける事だけ…
巴もそれを望んでいたから 俺を守ってくれたんだと思っています
そうか
けれど “新時代”が来たら…
刀を捨てるか
分かりません ただ その時は―
もう二度と 人は殺めない もう二度と…
晋作 お前の言った通りになってしまった 俺の誤り
飛天の剣は 旧時代を壊す為でなく 新時代を守る為に使うべきだった
すまない 緋村
巴… じゃあ 行って来るよ
いたぞ! こっちだ
追え!
一人も逃がすな
早くしろ!
何だ?
―退け ―何!
―何だと? ―貴様
退けば 命は助ける
退かねば…
―赤い髪に… ―左頬の十字傷
あなたが“人斬り”
組長
ふんっ!
う…はうっ
う…げほっ
はあ…
沖田君 さがっていたまえ
斎藤さん
俺は血の臭いに敏感でね
それに 今の君の身体では 奴を仕留められない
行くぞ!
坊主 名は?
心太
優し過ぎで 剣客にはそぐわないな
お前は今から“剣心”と名乗れ
剣…心

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